時間を活かす
千厩町・大光寺住職・千葉正道
今年は花の咲くのが早く、お寺の桜も早くも満開。もう散りはじめた枝 もあるようです。ああ美しい、と思っていたのもつかの間、風が吹くたび に散っていく姿を見ると、花の命のはかなさ、短さを感じてしまいます。 お釈迦様は、諸行無常を説かれました。全てのものは移り変わり、一 時としてじっとしていない。私たち人間も同じこと。時間とともに一刻、一 刻と年をとって老いていく。 花の命も同じこと。今を盛りに咲いている花もやがて枯れて散っていき ます。逆に今、花として咲いているものも、少し前には芽でありつぼみで あった。それが本当の命の姿であるということなのです。 ある人が、華道、生け花とは、花が心からこう生きたいと願うこころをく み取って、活けるものなのだ、という意味のことを述べられていました。 私たち人間に正しい生き方や志があるように、花にも正しく生きようと する心がある、というのです。 花の命に比べれば人間の一生は確かに長いかもしれません。しかし、 時間はたちまち過ぎ去っていきます。ぼやぼやしているうちに路半ばに してこの世を去っていくかもしれません。 私たちにとって与えられている時間は誰でも平等です。時間の使い方 過ごし方でその人の生き方に大きな違いがでてくることも確かです。 なにごとにも、今、ここで、すぐに、という気持ちと志をもって、目標に向 かって挑戦していくことが時間を活かしていくことになるのです。 |