成道が約束された道 古道
種市町・長圓寺住職・藤岡龍海
| １２月８日はお釈迦様が「お悟り」をお開きになった日です。この日を 境にお釈迦様は「仏陀」（心理に目覚まし者）と呼ばれるようになりまし た。 仏陀のお悟りを「なる、みち」と書いて成道と申します。永遠の真理に 到る道に目覚められたという意味に解せられます。 この成道について仏陀自身は「私は過去の正覚者（悟れし者）たちの たどりし、いにしえの道（古道）を発見したにすぎないのだ」と、語られま す。 ではその古道とはいったいどんな道をさすのでしょうか。 「比丘たちよ、過去の正覚者たちのたどった古道とは、何であろうか。 それは、かの聖なる八支の道である」 仏陀は八つの正しい道を順に示されます。 「一つは正しい見解であり、二つには正しい思いである。三つには正し い言葉であり、四つには正しい行為である。五つには正しい生活であ り、六つには正しい努力である。七つには正しい気づかい、そして八に は正しい精神統一である。 私はその道に従って進んでゆき、老い病み死ぬることの苦しみを知 り、自分の体も老病死を免れ得ないところを知った。 また、いかにして老病死を克服すべきかを知り、老病死の克服を実 現すべき道を知ることを得たのである」と。 老い病みそして死を免れ得ない人間の苦しみの解決は、仏陀若かり し時の青年シッダールタ王子出家を促す最大の要因でした。 現代の私たちもまた様々な悩み、苦しみの尽きることない日々に生き ています。 成道会の法要が各地の寺院で催されるこの時節、今一度、自らの成 道を願い、仏陀によって知られ、仏陀によって説き教えられた古道、八 つの永遠の「教え」の中に一歩一歩歩みを進めて参りましょう。 |