いま本当に必要なこと
                     千厩町・大光寺住職・千葉正道


 増え続けるゴミを減らすため、家庭から出るゴミの量に応じて税金をい
ただくという法律が、いま霞ヶ関のお役所で検討されています。
 
 戦後、私達日本人は経済成長によって、たいへんな豊かな暮らしが出
来るようになりました。欲しい物はお金によって何でも手に入る世の中、
それは欲望のおもむくままに便利さ、快適さを求めて資源やエネルギー
をどんどん使い、大量生産、大量消費を続けてきた結果だといえます。

 しかしその豊かさとともに大量のゴミ、有毒な化学物質の発生、地球温
暖化、有害な紫外線の増加、酸性雨、森林破壊などの環境問題が出て
きていることも事実です。

 お釈迦様は、私達に少欲知足ということを説かれました。限りない欲望
を抑え与えられたものに対し、常に感謝の気持ちで受け取りなさいという
ことです。

 もっと欲しい、まだ足りないといった心でお金やものを求め続けていたの
では全く解決にはならないということです。時には欲望や誘惑に対してノ
ーといえる強い心を持ちなさいということです。

 今、この環境問題解決のため、ゴミの量を減らしましょう。二酸化炭素を
減らしましょう。リサイクル運動に協力しましょう。などといろいろなことが
いわれています。しかし、環境問題はこうしたことだけで解決するほど簡
単なものではありません。

 環境問題の本質は私たちの生き方、心のあり方にあります。今の私た
ちの生き方、社会や経済システムが問われているのです。