年頭にあたりて
                             久慈市・長福寺住職・稲田泰山


  新年明けましておめでとうございます。どなたも明るい希望に満ち輝
く年であってほしいと願いを込めておいでと存じます。本当にそのような
世の中になってほしいものです。
 
  曹洞宗をお開き下さった道元禅師様は、禅のみ教えをお説きになら
れ、私達この世をどう生きるべきか、生まれて死ぬ一度の人生をどう生
きるか、それが佛法の一番大切な課題ですとお示しになりました。
 
 長生きすることが幸せでしょうか、そうでもありません。短命で亡くな
ることが不幸でしょうか、そうでもありません。

 問題はこの世をどう生きるかなのであります。あなたはどう生きるべ
きとお考えですか。
 
 私達お互いいつあいはてるかわからない二度とない人生を、おおいな
るものによって今、生かされて生きています。

  このかけがえのない尊い命を生かし合い、いつでも静かな世界に自
らの身と心を整え、常に自分の生き方を見つめ直し、正しながら心に豊
かさを持った毎日であるならば、それが明るく希望に満ち輝くことでは
ないでしょうか。