無財の七施
                      釜石市・盛岩寺住職・三宅俊禅


 今日はお釈迦様の説かれた「無財の七施」のお話しをいたします。仏教
は布施行、施しの行を第一としています。

 施しというとお金や財物がないと出来ないと思いがちですが、この「無財
 の七施」はお金も財物もかけないで施す七つの功徳です。

第一、やさしい眼差しを施すこと。
 目は口ほどにものをいうと言います。差別や偏見の目で見ることはやめ
 ましょう。
第二、和やかな顔を施すこと。
 百歳百歳で一躍有名になったあの金さん銀さんの笑顔は、日本中の人
 々を和ませてくれました。
第三、やさしい言葉を施すこと。
 言葉は時として人の心を傷つけます。まごころのこもった言葉を大切にし
 たいものです。
第四、身体を使って施すこと。
 経験の深い人はその技を生かし、経験の浅い人でも人が見ていなくても
 きちっと奉仕出来ること。
第五、まごころを施すこと。
 いつもまごころを持って人に接し、感謝の心は人々の心を照らします。
第六、席を譲り合うこと。
 弱者に対していたわる心と互譲の心を持ちましょう。
第七、温かい心でお客を迎えること。
 偏見を持たず、へつらうこともせず、ただ温もりのある心で接しましょう。

 以上が「無財の七施」ですが、このうち自分で出来るもの一つでもいい
ですから実践してみましょう。布施行という行願は救済という利他の願い
と実践であり、実践している姿そのままがほとけなのであります。