今日すべきことを
          明日に延ばさず

                          平泉町・東松寺住職・千田実道


 仏教伝道教会の冊子の中から抜粋してお話し致します。「今日すべきこと
を明日に延ばさず、確かにしていくことこそ、よき一日を生きる道である」と
お釈迦様は教えています。
 
 やさしい教えで、むずかしい言葉ではありませんが、ただ容易に実行でき
ないし、実行しようとしないのです。

 私など年何回かのテレホン法話の原稿書きと、テープの吹き込みを四攝
会の一員として責任を全うしなければと計画はしますが、しかし締め切りが
何日までだから、まだ日数があるからとつい日延べをしてしまいます。

 いよいよ締め切りが数日後に迫った時などは、大変な思いで苦悩すると
同時に忙しくなってしまいます。その結果締め切りに間に合わず迷惑をかけ
ているありさまです。自分の怠りのせいですから誰も責めることが出来ず、
自分が自分に苦しまなければならないのです。

 道元禅師は「病気になったなら、病気が癒ってからと先送りすることなく、
今より重くならないうちに行うべき事をしなさい」と訓えておられます。

 いつ何が起るか計り知れないのです。誰もが、まだ明日があると思いや
すく、今しておかなければならないことをより縁遠くし、実行が鈍くなってし
まいます。

 冒頭の「今日すべき事」とは何でしょうか、勿論自分の業務で今日中にし
ておかなけらばならない事もありますが、さらにいつどうなるか分からない
自分をよく整えることがより肝要ではないでしょうか。

 そこで改めて冒頭に掲げた、お釈迦様の教えをお読みしてみましょう「今
日すべきことを明日に延ばさず、確かにしていくことこそ、よき一日を生きる
道である」