解 脱     
                前沢町・浄圓寺住職・菊地浄雄


「解脱」解脱とはなんでしょうか。
国語辞典を引いてみましょう。心の迷いや悩みから
抜け出て安らかな境地に到達すること。別の辞典に
は、束縛から離脱して自由になること。現世の苦悩
から解放されて絶対自由の境地に達すること。とや
や難しく解説されてもいます。

難しすぎて解脱できませんよね。それでは、解脱を
次のようにユーモラスに考えてみましょう。心の迷い
や悩みから抜け出たり、逃れたりするのではなく、
逃がしてやりましょう。
後生大事に、束縛や、苦悩を抱え込んでおくことな
どありません。

それというのも、もともと私達は裸一貫自由なので
す。束縛や苦悩などはごめんです。そのようなもの
は今すぐに熨斗をかけてお返ししましょう。逃がし
てやりましょう。
熨斗の色ですか?
赤でも黒でもかまいません。

あっ、そうそう。表書きだけは赤で「束縛様へ」と書き
ましょう。“赤”ではっきりと書きましょう。投函すると
きは焼却炉がいいでしょう。全てを焼いてくれます。
ポストへの投函はいけません。

何故なら、お届けしても受け取り拒否だったり、第一
留守だったりすれば解脱どころか送り返されてしま
います。
それでは困りますよね。投函先を間違えないですか
っと焼いてしまいましょう。とこんな風にユーモラスに
考えてみました。

さて、私達は、ややもすると悩みに悩み抜き、苦しみ
に苦しみ抜くことを修練とか、訓練とか、鍛錬といつ
て、美化してとらえがちです。
180度思い切って考え方を変えて物事を見てみま
せんか。これこそが、解脱への近道、いいえ「解脱そ
のものです」さあ、180度気分転換してみましょう。