お爺ちゃんとの約束 
               水沢市・龍徳寺副住職・宇津野則昭


  私がお寺に入って間もなくのこと、お盆の棚経に行った
ときのことでした。普通私と座って一緒に拝むのは一人か
二人、お爺さん、お婆さんくらいのお宅が多いのですが、
そのお宅では、家族全員と家にいた親戚の人までが一緒
に拝んでくれたのです。

  小さい子供は小学校二,三年の兄妹でした。お勤め終
わって「この家の子供たちは偉いですね」と、話をしたとこ
ろ「お爺ちゃんとの約束です」とお母さんが答えてくれまし
た。

  詳しく話を聞いたところ、亡くなったお爺さんが二人の
孫を大変良く可愛がってくれて、お爺さんが仏壇を拝むと
きは、孫を呼んで一緒に拝んだそうです。

  お爺さんが亡くなるとき孫に「御先祖様を大切に頼んだ
よ」・・・それから毎日今ではお水とお茶はお兄ちゃんが、
華とご飯は妹がお供えするそうです。

  立派なことですね。皆さんも仏壇のご先祖様を拝むとき
には、小さい子供を含め家族全員で拝んでは如何でしょう
か。

  そうすることによって、小さい頃からご先祖様というもの
は何か、わかってくるもので、ご先祖様を大切にする気持
ちが養われてくるのです。
 
  最後に、仏壇は朝開いて拝み、夕方拝んで閉じます。
仏壇の扉を開けっ放しのお宅は今日から改めて下さい。