お盆を迎えて
                          岩手県宗務所教化部


 「あ〜、又死んじゃたもう一回初めからやろうっと」
これ何だかわかりますかテレビゲームに熱中してい
る少年の一人言なんです。

 何度死んでもボタン操作一つでキャラクターの命は
すぐに再生がきく、生きかえる、だからへいき、こわ
くない。そのこわくないところが何だかとてもこわいと
思いませんか。
 
 ある高校のアンケートに一人の生徒が ○友人を
殺したいと思ったことがある。 ○自殺したいと思って
いる。と書いたそうです。
 
 そしてその生徒に多くの高校生が少なからず同調
しているというんです。それもおそろしいですネェ。

 アメリカの哲学者は、「一人の子供は小学校を卒
業するまでに八○○○人の殺人を体験する」といい、
日本のある大学教授は「日本でも仮想的死を絶えず
情報として浴びせられながら、子供達は現実の死と
全々出会っていない」と言っています。

 青少年の自殺や殺人がいとも簡単に行われる要
因の一つにこんなところにあるのかもしれません。
 
 今、私達大人が教えなければならないことは命の
尊さであり、二度とない人生についてだと思います。

 そういう意味では、お盆はとても良い機会です。
ご先祖様のことを語り、身近な人の死を通して、命
の尊さや二度とない人生の尊さを考える絶好のチ
ャンスだと思います。
 
 お盆をたんなる年中行事、通過儀礼として終わら
せたくはありません。