一番大事なもの  
             陸前高田市・普門寺住職・熊谷光洋


 ある人が、この世で一番すばらしいものはなにかと、問い
かけました。
 
 一人の人はそれは太陽だ。太陽が輝いているからみん
な生きて行ける。太陽は何も言わないで私たちに光と熱を
与え無償の恵みを与えてくれる。この世で一番すばらしい
ものそれは太陽だ。

 もう一人の人はいやこの世で一番は水だ。水がなかった
らどんな生き物も生きていけない。

 そしてもう一人は確かにこの世で一番大事なものは、だ
れもその存在に気づかない、当たり前と考えているものは
だれもその存在に気づかない当たり前と考えているものに
あるようだ。
 
 太陽も水も大事だけれどこの一つがなくなっても何日か
は生きていけるが空気がなかったら一瞬も生きていけない。
この世で一番は空気だと思うよ。こんな話をしていました。
 
 私たちはこの話しから何を得ることができるでしょうか。人
はきっと、こんなにも大事なものを当たり前と忘れてしまって
います。あることが当たり前だった。
 
 しかし今その当たり前が当たり前ではなくなってしまった。
オゾン層の破壊により恵みの太陽は殺人兵器となる。水も汚
染され空気も汚染それ、当たり前のものが違ってしまった。
 
 私たちは今大きな転機の時を迎えようとしています。太陽の、
水の、空気の無償の恵みを忘れたとき、人はそこから大きな
試練を受けているのではないでしょうか。
 
 この神仏の大いなる慈悲を思い出し、苦しみ、悲しみ多い人
生の中で、朝起きて今日もすばらしい一日がはじまると思える
生き方ができるようであればそれはすばらしい事です。
 
 他人がすばらしく見える人はその人もすばらしい人です。他
人の粗ばかり探している人、見えてしょうがない人、悪いとこば
かりしか見えない人は幸せになれません。
 
 自分の人生を自分だけの為に生きていると考えるのではなく
自分の人生を生きているうちその生き方が他の人も幸せにで
きる。 

 太陽のごとく水のごとく空気のごとく一円も支払わないのに与
えてくれることを感謝して生きていきたいものです。