気 づ く 
          平泉町・東松寺住職・千田実道
 


 今回は人生には気づく瞬間があるというお話しをしたい
と思います。

 それでは何に気づけばいいのかと言う事ですが、これま
での自分を振り返ってみますと、何かに気づくと言う事が
確かにありました。
 
 そういう瞬間が誰にでもあるものです。そうして、いろい
ろなことに気づきながらいくと、それまでの生き方や想い
とは違った方向に窓が開けてくるのではないでしょうか。
 
 わかりやすい言葉にすれば視野が開けてくるということ
でしょう。

 部屋の中に虻が入ってきたとします。当然狭い世界に
閉じこめられたらたまらんと、表へ出て行こうとしますが、
出られないのです。

 明るい光りの当たっている方へ行っていくらブンブン
やっても障子やガラス窓があるから、出られないのです。
 
 その逆の方向には光りは当たらないのですが、窓が
開かれているのです。その暗がりの方へ行けば何の苦
もなく出られるのに、いつまでも、障子やガラス窓に頭を
ぶつけて、ブンブンやっているというわけです。
 
 自分はどうなるんだろうか、こんな生き方でいいだろう
かと、ひとつの所に留まってオロオロしている人間も、こ
れとまったく同じことではないでしょうか。
 
 ちょっと方向を変えるだけなのに、それが出来ず。他
に道があることに、気づかないでいることがあるのです。
 
 さてあなたならどう思いますか。