食べ物や自然を大切に
            二戸市・広全寺副住職・佐藤一成


 最近は食べ物が実に豊富です。それにともない食べ物
に感謝する心が、薄れがちではないでしょうか。何げない
食物であっても、大勢の人や動物や食物がかかわり、自
然の恵みが加わっています。

 
 お米ができるためには、農家の方が毎朝早く起き、田
植え・草取り・稲刈りなどをします。思いお米を店に運んで
くれる人がおります。

 遠い海から危険をおかし、魚を捕ってくれる漁師さんが
おります。食材を仕入れ料理をする人がおります。この様
な多くの労力があって、食物が我々の口に入るわけです。

 
 そして牛や豚などが自分の体を捧げてくれたから、栄養
豊富な肉が食べられます。私たちは牛や豚ではなく、たま
たま人間として生を受け、科学文明の恩恵に浴しておりま
す。

 そして今日の日本は、食物が非常に豊富になりました。
これらは大変有り難いことです。

 
 このほかにも感謝を忘れてはならないのが大自然の恵
みです。米は田んぼに育つ稲から取られます。稲が育つ
には、太陽の光が必要です。

 水や良い土も必要です。動物も空気や太陽といった自
然の力によって生まれ育ちます。
ところが今この自然の
恵みが、受けられなくなろうとしています。

 森林伐採・オゾン層破壊・大気や水質汚染・地球温暖
化・酸性雨などによってです。水不足や耕地面積の減
少、漁獲量の減少など、影響が出てきています。

 人間が自然を破壊し、地球をいじめています。

 
 私たちは欲張りの心を押さえ、地球環境を守らなけれ
ば、将来大変なことになります。何が本当の幸せなの
か、人類全体が考えるべき時代になりました。

 ものの命を生かし、資源の保護につとめるべきです。
食べ物を無駄にせず、社会や自然の恩恵に感謝をし、
大自然を大切に致しましょう。